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ダイバーシティの考え方

キーワードは「多様性」「受容」「マネジメント」

 

ダイバーシティとは一言で言えば「多様性を受容する」ことです。

具体的には、個人の固有の外面の属性(国籍、人種、性、年齢、障がいの有無など)や内面の属性(経歴、価値観など)にかかわらず、互いの多様な違いを尊重し受容し合うことを意味します。

ダイバーシティが対象とする多様な属性は次のように整理されます。

a)外面の属性:国籍、人種、性、年齢、障がいの有無、働き方など

b)内面の属性:経歴、宗教、価値観、性格、嗜好(GLBT=ゲイ、レズビアンなど性的志向を含む)、生き方など

 

ダイバーシティについて、アメリカでは「ダイバーシティ&インクルージョン」という言い方をします。受容(インクルージョン)とは「多様な人々が対等に関わりあいながら一体化し、お互いの良いところを認め、活かし合うこと」です。日本では、ダイバーシティとインクルージョンを合わせてダイバーシティということが一般的です。

 

また、経営における多様性のマネジメントをダイバーシティ・マネジメントと言い、「社会や組織がダイバーシティを大事にする風土となり、多様性が価値創造の源泉となる経営を実現するマネジメント手法」を指します。多様な能力の受容と組み合わせこそが、競争力と市場拡大をもたらすと考えることから、欧米企業では重要な競争優位戦略として、ダイバーシティ・マネジメントを実施しています。

 

理念は、個人の自由と達成力の向上

 

ダイバーシティの背景には、個人をエンパワメント(活性化)できる社会づくりへの理念があります。理念達成の原則として次の3つがあります。

①社会的機会が多様な人々に与えられ、そのニーズを尊重した人材活用をする

:例えば個人の時間利用の事情を企業の都合より優先させるような職場の仕組みづくりなど。

②個人が社会的に持つ障害を取り除く

:例えば社会が作る偏見や差別意識を取り除き、個人の平等と自由度を高めることなど。

③個人をエンパワメントできる制度とそれを支える新たな公平性の規範を確立する

:例えば異なるライフスタイルに中立的な制度を持つことや、障がい者や高齢者などが力を発揮できるノーマライゼーション(*)の推進など。 

すなわち、精神的・物理的に社会での機会を均等化し、新たな公平を実現するのがダイバーシティの理念であり、達成原則です。

 

一社)日本ダイバーシティ・マネジメント推進機構専務理事 油井文江

 

(*)ノーマライゼーション:障がい者や適応力が弱い高齢者などを特別視するのではなく、健常者と同じように生活が送れるようにするのが正常なことであり望ましい姿であるという考え方。さらには障がい者や高齢者に限らず、あらゆる人がともに住みともに生活できるような社会を築くための運動や施策など。